四国八十八ヶ所巡礼、いわゆる「お遍路」。
最近では、定年後の人生の節目としてだけでなく、
- 自分を見つめ直したい
- 一人旅をしてみたい
- 日本の原風景に触れたい
- 長距離を歩く旅に憧れている
- 温泉やグルメも楽しみたい
など、さまざまな理由で挑戦する人が増えています。
しかし、お遍路を始めようとすると、多くの人が最初に悩むのが、
- 「歩き遍路と車遍路、結局どっちがいいの?」
- 「初心者は歩けるの?」
- 「車だと意味がないって本当?」
- 「後悔しない選び方を知りたい」
という点ではないでしょうか。
実際、私自身も2023年に約43日間かけて四国八十八ヶ所を歩きで通し打ちし、約1,400km以上を巡礼しました。
歩いたからこそ感じた魅力もあれば、「これは車遍路の方が楽だったな…」と思った場面も正直たくさんあります。
だからこそ、この記事では単なる一般論ではなく、実際に歩いた経験を踏まえながら、
- 歩き遍路と車遍路の違い
- それぞれのメリット・デメリット
- 向いている人の特徴
- 実際に歩いて感じたリアル
- 後悔しない選び方
を、初心者にも分かりやすく詳しく解説していきます。
これからお遍路に挑戦したい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
そもそも「お遍路」とは?

お遍路とは、弘法大師・空海ゆかりの四国八十八ヶ所霊場を巡る巡礼の旅です。
徳島県、高知県、愛媛県、香川県の4県に点在する88のお寺を巡拝します。
一般的には第1番札所・霊山寺(徳島県)から順番に巡る「順打ち」が有名ですが、逆から巡る「逆打ち」や、一部だけ巡る方法もあります。
全行程は約1,200〜1,400kmとも言われ、巡り方によって難易度や必要日数は大きく変わります。
現在では、
- 歩き遍路
- 車遍路
- 自転車遍路
- バスツアー遍路
など、さまざまなスタイルで巡る人がいます。
また、お遍路は宗教色が強いイメージを持たれがちですが、最近は必ずしも信仰目的だけではありません。
- 自分探し
- リセット旅
- セカンドライフ
- 健康目的
- 日本文化体験
- 絶景巡り
など、旅として楽しむ人も非常に増えています。
実際、私自身も「人生で一度は長距離を歩いてみたい」という気持ちが大きなきっかけでした。
歩き遍路とは?

歩き遍路は、その名の通り徒歩で札所を巡る昔ながらの巡礼スタイルです。
いわゆる「本格的なお遍路」と言われることも多く、多くの人が憧れる巡り方でもあります。
一般的には40〜60日前後かけて通し打ちする人が多く、長期休暇や退職後に挑戦する人も少なくありません。
私自身は2023年5月〜6月にかけて43日間で結願しました。
歩き遍路は確かに大変です。
ですが、その分、普通の旅行では味わえない特別な体験があります。
歩き遍路のメリット

① 圧倒的な達成感がある
歩き遍路最大の魅力は、やはり達成感です。
毎日20〜35kmほど歩き、
- 暑さ
- 雨
- 山道
- 疲労
- 足の痛み
と向き合いながら進んでいきます。
特に高知県は札所間の距離が長く、「修行の道場」と呼ばれる理由を身をもって実感しました。
朝から晩まで歩き続ける日もあり、正直かなり辛いです。
ですが、その苦労があるからこそ、到着した時の喜びが大きいのです。
特に結願した瞬間の達成感は、普通の旅行では絶対に味わえません。
「自分の足でここまで来た」という感覚は、本当に特別です。
② 四国の自然を全身で感じられる
歩き遍路では、景色との距離感がまったく違います。
例えば、
- 室戸岬の海風
- 朝焼けの太平洋
- 愛媛の穏やかな海沿い
- 山中の静寂
- 焼山寺への山道
など、車では通り過ぎてしまう景色を全身で感じられます。
特に印象的だったのは、朝早く歩いている時の静けさでした。
車も少なく、人もほとんどいない道を歩いていると、不思議と頭の中が整理されていきます。
普段の生活では感じられない時間が流れていました。
また、歩いているからこそ、小さな変化にも気づきます。
- 花の香り
- 鳥の声
- 海の匂い
- 雨上がりの空気
こうした細かな自然を感じられるのは、歩き遍路ならではです。
③ 人との出会いが深い
歩き遍路をしていると、地元の方から本当にたくさん声をかけられます。
- 「頑張ってね」
- 「お茶飲んでいきな」
- 「今日はどこまで行くの?」
こうした何気ない会話が、不思議と心に残ります。
四国には「お接待文化」があり、遍路をしている人を応援する風習があります。
実際、私自身も何度もお接待を受けました。
飲み物やお菓子をいただいたり、道を教えてもらったり、時には長話をしたり。
歩き遍路は、「人に支えられて進む旅」だと感じます。
これは、ただ観光地を巡る旅行ではなかなか味わえない体験です。
④ 自分自身と向き合える
長距離を歩いていると、考える時間が圧倒的に増えます。
最初のうちは、
- 「次の休憩まだかな」
- 「足痛いな」
- 「今日の宿遠いな」
といったことばかり考えています。
ですが、数日経つと徐々に頭の中が整理されていきます。
仕事、人間関係、今後の人生。
普段は忙しさで考えないことを、自然と考えるようになります。
だからこそ、お遍路を終えた後に「人生観が変わった」と話す人も多いのだと思います。
歩き遍路のデメリット

① 想像以上に体力的にキツい
これは本当に覚悟が必要です。
歩き遍路は、決して「のんびり散歩旅」ではありません。
毎日長距離を歩くため、
- マメ
- 膝痛
- 足裏痛
- 肩こり
- 疲労
に苦しむこともあります。
特に最初の1週間は、身体が慣れていないためかなり辛いです。
また、荷物も重要です。
リュックが重いと、疲労度が一気に増します。
歩き遍路では「軽量化」が非常に重要だと痛感しました。
② 宿不足エリアがある
意外と知られていませんが、お遍路には宿が少ないエリアがあります。
特に歩き遍路では、「次の宿まで歩けるか」が重要になります。
高知県などでは、札所間距離が長い上に宿も少ないため、事前予約がかなり大切です。
「今日は疲れたから途中で泊まろう」が難しいこともあります。
特に繁忙期は、早めの予約がおすすめです。
③ 長期休暇が必要
歩き遍路最大のハードルの一つが「時間」です。
通し打ちする場合、最低でも1か月以上は必要になります。
仕事や家庭の事情によっては、長期休暇を確保するのが難しい人も多いでしょう。
そのため、最近では区切り打ち(数回に分けて巡る方法)を選ぶ人も増えています。
車遍路とは?

車遍路は、自動車で札所を巡るスタイルです。
現在は最も一般的なお遍路方法とも言われています。
最近では、
- 夫婦旅
- 定年後旅行
- 家族旅行
- 女性の一人旅
でも人気があります。
歩き遍路と比べると圧倒的にハードルが低く、初心者でも挑戦しやすいのが特徴です。
車遍路のメリット

① 体力的負担が少ない
やはり最大のメリットはここです。
長距離を歩く必要がないため、歩き遍路と比較すると身体への負担はかなり軽減されます。
そのため、
- 高齢者
- 体力に不安がある方
- 初心者
でも挑戦しやすいです。
「お遍路に興味はあるけど歩く自信がない」という方には、まず車遍路がおすすめです。
② 短期間で巡れる
車遍路なら、1〜2週間程度でも結願可能です。
また、
- 週末ごと
- 連休ごと
など、分割して巡りやすいのも魅力です。
仕事をしながらでも比較的続けやすく、現実的な選択肢と言えます。
③ 温泉・観光・グルメも楽しみやすい
車遍路は自由度が高いため、
- 温泉
- ご当地グルメ
- 絶景スポット
にも立ち寄りやすいです。
例えば、
- 道後温泉
- 四国カルスト
- 桂浜
- 祖谷渓
など、お遍路以外の観光地も一緒に楽しめます。
また、
- 香川のうどん
- 高知のカツオ
- 愛媛の鯛めし
など、ご当地グルメも魅力です。
「巡礼+旅」を楽しみたい人には、車遍路は非常に相性が良いと思います。
④ 荷物を気にしなくて良い
歩き遍路では荷物の重さがかなり重要ですが、車遍路ではその心配がほぼありません。
着替えやカメラ機材、温泉セットなども気軽に持ち運べます。
快適さという点では、車遍路の方が圧倒的に楽です。
車遍路のデメリット

① 「旅の深さ」が薄く感じる場合がある
車は移動速度が速いため、どうしても「点と点を移動する旅」になりやすいです。
歩き遍路のような、
- 苦労
- 長時間の思索
- 偶然の出会い
は少なくなる傾向があります。
そのため、人によっては「観光旅行っぽかった」と感じる場合もあります。
② 運転疲れがある
意外と盲点ですが、高知県などは札所間距離が非常に長いです。
山道や狭い道も多く、運転疲れを感じることもあります。
特に長距離運転に慣れていない人は、想像以上に疲れるかもしれません。
③ 駐車場問題がある
人気札所では、駐車場が混雑することもあります。
特に観光シーズンや連休中は、駐車待ちが発生する場合もあります。
また、一部の札所では駐車場から本堂までかなり歩く場所もあります。
実際に歩いて感じた「歩き遍路のリアル」

歩き遍路をしていて特に感じたのは、「毎日が小さな冒険だった」ということです。
朝起きて、
- 天気を確認し
- 足の状態を確認し
- 次の宿までの距離を考え
- 水分や補給を調整する
この繰り返しでした。
ですが、その不便さや苦労こそが、逆に旅を濃くしてくれます。
コンビニで食べたおにぎりが異常に美味しかったり、海沿いの景色に感動したり。
普段の生活では気づかないことを、たくさん感じられました。
また、歩いていると「今日はここまで行けるかな」と毎日小さな挑戦があります。
だからこそ、一日一日の記憶が濃く残るのだと思います。
歩き遍路 vs 車遍路 比較まとめ

| 項目 | 歩き遍路 | 車遍路 |
|---|---|---|
| 達成感 | ◎ 非常に大きい | ○ 十分感じられる |
| 体力負担 | △ 非常に大きい | ◎ 少ない |
| 必要日数 | △ 40〜60日前後 | ◎ 7〜14日前後 |
| 自然との一体感 | ◎ 圧倒的 | ○ 景色を楽しめる |
| 人との出会い | ◎ 非常に多い | △ 比較的少ない |
| 初心者向け | △ 準備が必要 | ◎ 始めやすい |
| 温泉・観光 | ○ 楽しめるが制限あり | ◎ 非常に楽しみやすい |
| 荷物問題 | △ 重さが重要 | ◎ 気にしなくて良い |
| 精神的充実感 | ◎ 非常に深い | ○ 人による |
| 旅感・冒険感 | ◎ 強い | ○ 快適な旅行寄り |
結局どっちがおすすめ?

歩き遍路がおすすめな人
- 人生を見つめ直したい
- 達成感を求めている
- 一人旅が好き
- 自然を深く感じたい
- 時間に余裕がある
- 冒険感を味わいたい
車遍路がおすすめな人
- 初めてのお遍路
- 体力に不安がある
- 限られた休みしかない
- 観光も楽しみたい
- 気軽に始めたい
- 家族や夫婦で巡りたい
個人的には「最初は車遍路でも全然OK」
実際に歩き遍路を経験した立場から言うと、最初から無理に歩きにこだわる必要はないと思います。
むしろ、
- まず車で巡る
- 気に入った場所を後で歩く
というスタイルはかなりおすすめです。
実際、歩き遍路経験者でも「最初は車遍路だった」という人は多いです。
大切なのは、「自分に合った方法で続けること」だと思います。
まとめ|正解は「自分に合った巡り方」

歩き遍路と車遍路には、それぞれ違った魅力があります。
歩き遍路
- 圧倒的達成感
- 深い出会い
- 自然との一体感
- 人生経験になる
車遍路
- 気軽に始めやすい
- 短期間で巡れる
- 体力負担が少ない
- 観光も楽しめる
どちらが正解というより、「自分に合った巡り方」を選ぶことが一番大切です。
無理して苦しい旅にする必要はありません。
四国お遍路は、どんなスタイルでも、きっと特別な経験になります。
ぜひ、自分らしいお遍路旅に挑戦してみてください。










