四国八十八ヶ所霊場を巡る四国歩きお遍路は、日本でも特に人気の巡礼の旅です。その旅は、四国の美しい自然と伝統的な文化、そして自分自身と向き合う貴重な時間を提供してくれます。しかし、やはり気になるのはお遍路に掛かる費用です。本記事では、宿泊費、食事代、交通費といった費用項目ごとの目安と、少しでも費用を抑えるための節約術をご紹介します。
目次
初心者必見!四国歩きお遍路に係る費用を徹底解説【宿泊、食事、交通費のリアルな目安とおすすめ節約術】
四国歩きお遍路の総費用の目安
四国歩きお遍路にかかる総費用は、旅のスタイル、宿泊方法や食事内容、期間によって変動します。1日当たりと40日間(歩き遍路で結願に必要な平均日数)の旅に掛かる費用の目安は以下の通りです。
費用項目 | 1日当たりの目安(円) | 40日間の合計目安(円) |
---|---|---|
宿泊費 | 6,000~9,000 | 240,000~360,000 |
食事代(行動食を含む) | 1,500~3,000 | 60,000~120,000 |
交通費 | 500~1,000 | 20,000~40,000 |
雑費(納経代・お賽銭・洗濯・飲み物代など) | 1,000~2,000 | 40,000~80,000 |
合計 | 9,000~15,000 | 360,000~600,000 |
1日当たりの総費用は、9千円~1万5千円程度、40日間の総費用は、36万円~60万円程度が目安となります。
なお、上記の金額は、野宿ではなく、宿に泊まることを前提としている費用であり、お遍路道中における遊興費用、観光費用や飲み代などは含まれておりませんので、念のため、ご注意ください。
それぞれの項目の詳細と節約のポイントについて見ていきましょう。
各費用項目の詳細と節約のポイント
宿泊費
宿泊費の目安
- お遍路では、「宿坊」「遍路宿」「ビジネスホテル」「民宿」などが主な宿泊施設です。1泊あたり6,000円~9,000円程度が相場ですが、設備や立地、エリアによって変わります。私が実際に歩きお遍路をした感覚では、愛媛県や香川県の宿泊費は、徳島県や高知県よりも若干(2、3割程度)高かった印象です。
- 以下の記事では、42日間で結願する歩きお遍路のモデルコースにおけるおすすめのお宿とその宿泊費をまとめております。また、私が実際に泊まったお宿もご紹介しておりますので、合わせて、ご参考ください。
【四国歩き遍路 (通し打ち)】 42日で結願するモデルコース 人気お宿紹介
四国歩き遍路42日間で結願するモデルコースを前提とした人気お宿のご紹介(2024年11月最新情報!)
【四国歩き遍路 (通し打ち)】 43日結願の私が実際に泊まったお宿紹介
今回は、四国八十八ヶ所霊場を、2023年5月から6月の43日間で結願した際に泊まったお宿をご紹介します。個人的なお宿の評価や魅力もまとめているので読んでくれると嬉し…
節約方法
- お遍路小屋やテント泊:一部エリアには無料の「お遍路小屋」もあり、これを利用することで費用を抑えられます。また、テント泊も選択肢のひとつですが、設営場所や防犯に注意が必要です。(とある地方では、テント泊をしていたひとりの女性が襲われた事例やバッグごと盗まれた事例があります。)
- ゲストハウスやドミトリー利用:安価な宿泊先や遍路割引があるゲストハウスを活用すると、宿泊費を抑えられます。
食事費
食事費の目安
- 人によって異なると思いますが、行動食を含む、1日の平均的な食事費は1,500円~3,000円程度です(朝食、夕食は宿泊費に含まれている前提の下、昼食および行動食の合計を想定)。
節約方法
- スーパーやコンビニでの調達:1日3食を全て外食すると費用がかさむため、食事付きプランのある宿を予約するほか、地元スーパーやコンビニでおにぎりや惣菜を購入すれば、外食より安く食事ができます。
- 宿の自炊施設の活用:自炊施設がある宿では、簡単な調理をして費用を抑えられます。鍋での煮物やインスタント食品での調理も便利です。
交通費
交通費の目安
- 歩き遍路では基本的に徒歩での移動ですが、周辺に宿泊施設が無いなどの理由から、山道や長距離区間で一部公共交通機関を利用することもあります。ケースバイケースですが、1日あたり500円~1,000円、40日間で20,000円~40,000円程度が目安です。(実際のところ、全ての行程を歩きに拘る方の場合には、費用は全く掛かりません)
節約方法
- 遍路割引のあるバス回数券:四国各地ではお遍路さん向けのバス回数券や割引券が提供されているので、事前に調べて活用するとお得です。
- 宿の無料送迎サービス:一部宿泊施設では近くの札所まで無料送迎があり、これを利用することで交通費を節約できます。
雑費
雑費の目安
- 雑費は1日1,000円~2,000円程度で、納経代、お賽銭や洗濯・乾燥機の利用、飲み物代などが含まれます。
- 納経代(御朱印代):基本的に1ヶ所のお寺につき300円が一般的です。納経帳、白衣、または掛け軸に御朱印をいただく際に支払うことになります。ただし、特別な御朱印や特定の儀式に伴うものなどでは、料金が異なる場合があります。例えば、掛け軸などに御朱印をいただく場合、場所によっては500円前後の納経代を設定しているお寺もあります。
- お賽銭:金額は決まっておらず、一般的には1ヶ所10円~50円程度で構いません。40日間で88ヶ所を巡る場合でも、総額3,000円〜5,000円が目安です。
- 洗濯・乾燥費用:宿泊先やコインランドリーでの洗濯費用は、施設によって異なりますが、一般的に洗濯機、乾燥機ともに利用費用は200円~300円程度です。お接待で無料で洗濯してくれるお遍路宿もあります。
- 飲み物代:歩き遍路の場合、水分補給がとても重要です。道中、大抵の場合は道路沿いに自動販売機がありますが、山中や室戸岬に向かう一部の区間道路などでは、自動販売機が設置されていないことがあります。その場合は、事前に用意した水筒・マイボトルを活用するのがおすすめです。
節約方法
- コインランドリーの利用方法:毎日コインランドリーを利用する場合は、費用が嵩むため、洗濯の頻度を2日に一度にすることで費用を抑えられます。また、ウエアは速乾性のある化学繊維素材のものにして、コインランドリーを利用せずに浴室などで自ら洗濯することも選択肢の一つです。
- 水道水の活用:飲み物代を節約するには、水筒・マイボトルに水道水を補給するのが良い方法です。また、地域の無料給水施設も活用しましょう。
お遍路費用を抑えるためのその他の節約ポイント
- 「お接待」を活用する:お遍路ならではの「お接待」で、地元の方々が無料で食事や飲み物を提供してくれる場合もあります。感謝を忘れず、温かい交流を楽しみましょう。
- 荷物は必要最低限にする:長期の旅では軽装が基本です。荷物が少なければ身軽に歩けて、飲み物代などの費用も抑えられます。
- 計画的に宿を予約する:安価な宿泊先は早めに予約が必要なことも多いです。遍路割引がある宿もありますので、計画的に調整しましょう。遅くとも前日には予約することをおすすめします。